作品名

SHARE yaraicho

設計

空間研究所

受賞

2013 IES/Award of Merit

所在地

東京 関東地方

竣工

2012年

カテゴリ

集合住宅

概要

この建物は、7人が共同生活するシェアハウスとして建てられた。間口6m、奥行12m、高さ10m の大きな箱の中に、7つの個室を内包する4つの小さな箱が重なり合う構造となっている。1階には家具を製作するスタジオとシャワー・トイレ、2階には個室、3階には共有のキッチンと居間があり、作業場と住宅という異なる性質の空間の集合体である。外部とは耐光性透明テントの膜1枚で仕切られている。建築のコンセプトは「様々な隙間や猶予を空間に与えることで、住みこなしの実践から住人たちのコミュニティを作っていくシェアハウス」。限られた予算のなかで、シェアハウスのユニークな構造を際立たせ、かつ、作業場と住宅のそれぞれにふさわしい光をつくることが求められた。そこで照明計画では、最小限の数の照明器具を用いて、空間の形状を強調し、住まう人の自由度が高まる照明を実現した。

照明は全てLED光源を使った。1階の家具などの作業場は、木の色合いが見分け易いよう、LED23,1W, Ra85, 2800, 40°の埋込みダウンライトとした。部屋のどこででも自由に作業できるように作業スペース全体を明るくし、掲示板として使用される壁面も照らすようにダウンライトを配置した。

個室は引っかけシーリングで、個々の好みを反映させることができる猶予をつくった。

階段室は最小限の数のダウンライトで突き当たりの壁面が明るくなるようにした。

共有キッチンと居間がある3階には、LED19W,Ra90,2800kのマグネットで取り付ける高さ17mm長さ1,25mのライン器具を、アッパーライトと足元灯に使用して、シンプルな建物の形を浮かび上がらせた。照明器具の存在を感じさせず、棚上や空間の隙間から漏れる柔らかい光が部屋全体に満ちる。住人たちは、部屋全体を自由に使うことができる。

大きな箱と小さな箱の間のすき間に取り付けたLED19W高さ17mmのライン器具は、居間のテーブルや床を照らす低いあかりとして、くつろぎの場をつくっている。