大聖寺の家

木造2階建ての古民家を、基礎から屋根に至るまで直した後に、現代生活に必要な設備を備えて暮らしやすい家に生まれ変わらせた。照明計画では、板の間、畳、障子、白壁、根太、梁など、古民家の持つ重厚な美しさを生かしながら、和室、居間、寝室での日常生活に便利な明るさを確保することをめざした。古民家の中心にある天井高７mの吹き抜け空間は、これまで年月を経た梁が２層に交差する暗い空間であったが、両側の白壁を照らす光に加え、テーブルの上に大ぶりな吊下灯を設置して、日本の伝統的な吹き抜け空間を肌で感じながら生活できる明るい居間にした。また、街路に面した格子の奥の障子を下からほのかに照らして、暮らしの気配を滲ませると同時に、古民家の気品ある佇まいを外に伝えた。