この橋は、自然の優れた造形物である動物の骨格をモチーフにデザインされた。
当初から橋を光で浮かび上がらせる計画が進められていたが、橋の形状が複雑な事から、思った効果が出なかったため、完成直前に照明計画の見直しを依頼された。
問題点は二つ。一つは、遠くから橋を見ると、道路照明の光ばかりが目に入り、橋の投光照明が目立たないこと。二つ目は、橋への投光照明が単調なことであった。
そこで、まずアーチの傾斜部に取り付けられ発光部が直接目に入ってしまう道路照明器具は、光が路面に適切に当るよう灯具の取りつけ角度と反射板を調整し、ポール灯にはルーバーをつけ眩しい光をカットした。
橋本体への投光照明は、動物の胸骨を模したアーチ側面を照らすと共に、橋のもう一つの特徴である肩甲骨を模した側板面にも光が当たるよう、器具の設置場所を増やした。全体を動物の骨格のように白く照らすパターンと、側板面だけをブルーに照らすパターンの、2種類の点灯切り替えが出来る。
眩しい光を抑え、橋本体への投光照明場所を見直した結果、橋の夜景を力強いフォルムに変えると同時に、限られた電気容量で変化のある橋の表情を作ることに成功した。